「人生は短い」が、50年は長すぎる

Life Feels Short, but Fifty Years Is Too Long to Outrun

キャリアを考える際の50年という数字について、人類史の視点から整理を行います。初の自由世代として、現状維持ではなく自由を使い倒して動こうという話をします。

50年は長いよねという話のヒーロー画像

人生は短いが、50年は逃げ切るには長すぎる

歴史はたった「40人」でつながっている

キリストが生まれてから今日までの約2000年。現役で活躍できる寿命を50年とすると、たった40人分にすぎません。初代から40人が手をつなげばキリストの時代まで届いてしまいます。

50年という時間は、歴史の教科書を何ページも塗り替えるほど長い。変わらないことのほうが例外だと実感します。

「NVIDIA」を10年前に想像できたか?

人は未来を「今の延長」で考えがちですが、世界は直線ではなく指数関数で変化します。たとえばNVIDIA。今でこそAI時代の覇者ですが、10年前に今の姿を想像できた人はほとんどいなかったはずです。

ということは、10年後に世界一になっている会社は、いま名前も知られていないかもしれません。50年前に2025年を想像できた人がいなかったように、私たちも50年後を当てることはできません。それなのに「今のままで大丈夫」と50年間ベットし続けるのは、現状維持というより分の悪いギャンブルに近いと感じます。

VUCAじゃなかった時代はありません

不確実・不安定・複雑・曖昧。最近はVUCAの時代だとよく言われますが、人類史を40人で振り返れば、VUCAじゃなかった時代なんてありませんでした。直近の2人は少し安定した時代でしたが、その前の10人は壮絶な時代を生き抜いています。

現状維持で逃げ切るには、人生は長すぎる

「人生は短い」という言葉は、時として甘い罠になります。「短いんだから、今の場所でやり過ごせばいい」と現状維持を肯定する言い訳に使えてしまうからです。

私は50年というサイクルのど真ん中にいる感覚です。この先の50年を「何もしないまま」走り切れるほど、人生は短くありません。動かないことが一番のリスクになると感じています。

そして、昔の人とは違い、今は自由です。人類史上、ほとんどの人が職業選択の自由を持てたのはごく最近で、私たちはその最初の一人目に近い世代です。道標がない分、大変に感じるのは当然です。けれど、せっかく手にした自由なら、動きながら使い倒したほうがきっと楽しいはずです。

もし今、「このままでいいのかな」と少しでもモヤモヤしているなら。それはきっと、本能が「50年は長いぞ」と告げているサインかもしれません。せっかく自由になったんだから、楽しもうぜ。